高尾山麓にステゴドンゾウを発見高尾通信

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八王子に住んでいたステゴドンゾウ

 2002年夏、高尾山の麓、八王子市役所付近の浅川(鶴巻橋上流)で、170万~200万年前の地層から、当時生息していた「ステゴドン」属のゾウとみられる牙や臼歯(きゅうし)などの化石約40点が見つかった。
 ステゴドンの化石がこれほど大量に見つかるのは珍しい。発掘調査した八王子市教育委員会などによる調査団(代表、松川正樹・東京学芸大助教授)は、歯の特徴などからステゴドンの新種である可能性も指摘している。

 ステゴドンはアジア、アフリカ、中東に分布していたとみられ、約20種が確認されている長鼻目、ステゴドン科に属する化石ゾウで、第三紀鮮新世(約1200万年前)から第四紀更新世(約100万年前)に東アジアおよびアフリカに分布していました。現在のゾウやマンモスの祖先に当たる大型ゾウです。

 ステゴドン属の化石は、日本では500万~350万年前の地層からシンシュウゾウ(肩高3・5~4メートル)、270万~70万年前のアケボノゾウ(肩高2メートル)、50万~30万年前のトウヨウゾウの3種類が見つかっている。氷河期に大陸から日本に渡り、環境に適応するため小型化したとみられる。

 象化石として日本で最も多くみつかっているのはナウマン象ですが、ナウマン象が東アジアから日本に渡ってきて栄えたのは、約100万年前から2万年前です。
ステゴドンの発見は、日本列島と大陸との繋がりを解明する際の学術的資料として貴重です。

 今回見つかったのは、牙(長さ約160センチ)2本と臼歯6本、ろっ骨や足の骨の一部など計約40点で、若い成獣とみられる。臼歯の長さから肩高は2.5~3メートルと推定される。調査団は、臼歯のエナメル質がシンシュウゾウより厚く、アケボノゾウより薄いなど、シンシュウゾウとアケボノゾウの中間的な特徴を持っている――などの理由から、シンシュウゾウからアケボノゾウに進化する途中の新種である可能性があるとしている。

 昨年12月、慶応義塾幼稚舎の相場博明教頭らが川岸付近で牙や臼歯の化石が露頭しているのを偶然発見、1月から発掘調査していた。調査団は全身の骨格化石が付近に埋まっているとみている。

 尚、この近辺はメタセコイアの化石も多数見つかっている場所です。

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