高尾山へ続く美しい銀杏並木高尾通信

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美しいいちょう並木(甲州街道)

 JR中央線高尾駅前から続くイチョウ並木の甲州街道は、八王子千人同心にちなむ八王子市の千人町を過ぎ、陣馬街道と合流する追分交差点までの間は、日本でも指折りのイチョウ街道となっています。

約4kmにわたって続くイチョウ並木は車で通り過ぎるだけの人にも楽しみを与えてくれる美しい並木で、東海道の松並木、日光の杉並木と合わせ、日本三大並木とも呼ばれているようです。

 この並木道は昭和2(1927)年に植樹されたもので追分の交差点から4.2Kmの間に、768本植えられています。当時、大正天皇が崩御されて、この高尾の地にその墓所である武蔵陵が建設されていました。その武蔵陵の周辺整備の一環として、この地域の甲州街道が道路改修され、それにあわせてイチョウが植樹されたのです。

 それから八十年、今では立派な並木に育ち、市民にも馴染みの深いものとなりました。樹齢70年を越したりっぱな木々が、これだけ長い距離に並んでいる場所も珍しい。

 また、甲州街道から南浅川を渡る多摩御陵の参道には、高さ20mほどの大ケヤキ並木があります。さらに、御陵の総門を入ると参道の両側にキタヤマスギの並木が300mほど続きます。

 沿道のイチョウは11月も半ばとなると美しく色づき、市民に愛されてきました。この並木、イチョウの雌雄選別ができていなかったために、あちらこちらで大量の銀杏が落ちているのが見られ、それらを目当てに多くの人が拾いに訪れます。

 毎年11月の20日前後には、夏の八王子祭りについで大きないちょう祭りが2日間に渡り開催されます。
 内外200台を越すクラシックカーのパレード、オリエンテーリングや陵南公園での各種イベントなど、八王子の秋の催しとして賑わうものです。
 ちょう祭りの会場となるのはもちろんイチョウ並木の甲州街道沿いで、祭りの中心となるのは陵南会館跡地の本部と陵南公園ですが、他にもいくつかの特設会場が設けられて賑わっています。各会場では飲食店の屋台が並んでいたり、各種のイベントが行われていてお祭り気分を盛り上げてくれます。

 いちょう並木の甲州街道で、初めて「いちょう祭り」が開かれたのは、昭和54年のこと。このころ八王子市には十八の大学があり学生数は約8万人、大型団地出現で人口も増加傾向でした。
 歴史のある街、代々その地に密着して生活してきた方々も多く、新旧住民の交流を深めることは、当時の八王子市にとって、更なる発展のための重要な課題の一つでした。
 そんな当時の事情や文化活動の保護も考慮して、第一回の八王子いちょう祭りが企画開催されました。当時の情勢から生まれたお祭りは、その時々の世相を反映しつつ市民の手で年々育てられてきました。

2020年11月追記
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、多くの祭りが中止になる中、11月に「いちょう祭り」が実施されています。
 ただし、今回は従来のステージ、式典、模擬店など人が集中する内容はすべて行わず、クラシックカーパレードも開催しない。密を避けるために開催日を設定せず「いちょうが街道を彩る11月初旬から葉が落ちるまで」とします。一方、新型コロナウイルスの感染拡大防止の啓発運動は実施します。

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