中高年ハイキングブーム到来、そして山ガール
最近、中高年になって登山やハイキングを始める人が多くなってきているそうです。
深田久弥氏の書いた「日本百名山」(新潮文庫)という本がきっかけとなり、中高年の間では、ここ20年ほど登山ブームが続いているようです。
当初は登山愛好家の間でのささやかなブームに過ぎなかった「百名山登山」は、徐々に登山経験のない中高年の間にも浸透していき、1997年にNHKで放送された、百名山に関するテレビ番組によって中高年の登山者は一気に増加したといわれています。
加えて最近の「山ガール」ブームです。
家でくすぶってなんかいないで、野や山に飛び出す、自然を楽しむ、とてもいいことですよね。
しかし、このブームにも危険性があります。
以前に本格的な登山の経験がある人ならまだしも、基本をまったく知らない人が、ただ、やみくもに山に登りたいとの気持ちから特に最近の「百名山ブーム」にも乗っかって、これを目指す中高年登山者が増えてきているのです。
また、旅行業者による百名山登山のツアー・パッケージ化により、今まで登山や山歩きに興味がなった人たちも、登山を旅の一環としてとらえ、気軽に参加するようになったのです。
あなたが登るから私もなんて軽い気持ちで登山を始める人が後を絶ちません。
そして、本人の登山知識・経験不足から各種のトラブルを引き起こしているのです。それにしても、もっと怖いのは、現在は、山歩きなのか、はたまた「登山」なのか、この区別があいまいなことです。
小さなザックにお弁当に水筒とお菓子を持って、果敢に山々に挑戦する人のなんと多いことでしょう。
このサイトは、決して気軽な山歩きを否定するものではありません。山歩きの楽しさを是非多くの人に味わっていただきたいのです。
しかし、最低限の知識は必要であることを知ってほしいのです。そして、安全で楽しい「山歩き」の世界を是非、皆さんに経験してほしいと願うのです。
山歩きは、低山ハイクから
初めて山を歩く人は、まずは「低山ハイク」から始めましょう。日頃の運動不足を認める人が、いきなり1500mの山にトライするのはお勧めしません。
普段の都会生活ではあまり使わないため、急激な運動でひざや足首を痛める事故も少なくありません。
まずは、低山で体を慣らしながら徐々により難易度の高い山にトライする心の余裕が重要です。だって、山は決して逃げないのですから。