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山の怖さ




山のトラブル(事故発生)
山で迷ったら
山で遭難したら
野生動物と遭遇したら
もしものために



山で迷ったら

山で迷う原因

 最近は、中高年登山ブームや、「日本百名山」ブームで、マナーやルールを無視した登山者が増え、少し前では考えられなかったような初歩的なミスによる事故が多発しています。
 特に中高年になってから山登りを始めた人たちにその傾向が多く見受けられます。実際に警察の山岳遭難データを見ても、事故の大半は、油断・不注意・無知が原因で発生しています。 
 7月、8月は、週末や夏休みを利用して登山やハイキングをする方が増えるシーズンですが、山での遭難事故も7月、8月は5月と並んで多く発生しているようです。

 「山の遭難事故は平成10年(1998年)以降、年間1000件を超えて発生しており、特に全遭難者に占める40歳代以降の中高年者は、平成7年には68%だったのが、平成16年には81%にも上っています。死者も同様に78%から93%まで跳ね上がっているのです。

 遭難事故の内訳をみると、「道迷い」が最も多く34%、次いで「滑落」の17%、3番目が「転倒」13%です。特に中高年者では、いったん登り始めると少々の天候の変化や体長の変化があっても、お互いに言い出しにくく、つい無理をしてしまうケースが多いとか。また中高年登山者の死因では、心筋梗塞や不整脈、くも膜下出血などによる突然死も案外多いそうです。」(日経ビジネス7・6) 

 さて、道に迷って遭難というのは、やはり、初心者に一番多い事故です。自分では気が付かないうちに山中をさまよい歩いてしまい、ますます道に迷い込むパターンです。

 人気のある登山道ならほとんどの場合、指導標が立っているので、しっかり見つけていけば、いきなり道に迷うようなことはありません。
 日頃から地図を見ながら歩く習慣をつけていれば、すぐに気がつきます。

 それでは、山の熟練者は道迷いを絶対にしないかというと実はそうでもありません。いわば、道迷いは山行に付き物といえます。
 むしろ山好きの人なら誰しも一度ならず経験したことがあるといってもいいでしょう。
 山歩きの熟練者でもなかなか避けられない。
 おかしな話ですが、地図に「迷いやすい」と記されているところでは決まって迷う人が多いのです。
 道迷いといっても、枝道や獣道の道迷いもあれば、ホワイトアウト(雪原と雲が一続きに見え、太陽がどこにあるのか判別できなくなり、天地の識別が困難になる状況)によるものまであるが、地図をもち磁石をもちGPSを持ち歩いていても道迷いは絶対におきないとは断言できないのです。

 だからこそ、道迷いをしてしまったときにどうするかをきちんと自分で判断することが重要なのです。
 でも、じつは道迷いをした時の対処方法はいたって簡単です。実際に迷ってしまったら、とにかく今来た道を引き返すことが原則です。
 迷ったかな?と思ったらすぐにもときた道を引き返すのが鉄則です。間違っても知ったかぶりをして谷や沢のほうへ下りていかないようにしましょう。
 原則から言うと沢に下りるよりも稜線に上がった方が登山道を見つけやすいのです。

 何時間も歩いてきてしまったので、ここで戻るのは嫌だなどと決して思ってはいけません。
 ここで引き返す勇気をもつことが大事なのです。さんざん歩き回ったあげく、沢に迷い込んでどうしようもない状態になったしまうのが遭難で一番多いケースなのです。
 今来た道もおぼつかない時は、尾根に向かって歩くことです。
 そして、決して沢のほうに下らないことです。
 道迷いと判断したら、とにかく今まで来た道を戻る。
 もし戻りしの道すらわからなくなってしまったら、その場でビバーク。
 これが道迷い遭難時の基本です。闇雲に歩き回り体力を消耗させることは避けねばなりません。

霧でほかのメンバーとはぐれた場合

 比較的低山でも、気象の状況によっては、霧が発生することはよくあります。地表の乾いた暖かい空気も上昇して冷やされれば、飽和水分量を越えて霧となり、雨や雪になります。(ちなみに視界距離1000m以上の物は「もや」といいます)

 この場合、前に進むことは危険ですのでとりあえずそこでとまり、霧の状態を見て、その場で休憩するか元の休んだ場所まで引き返すことです。
 なお、道が分からない場合はその場を動かない。どうしても移動しなくてはならない場合は尾根(上)に向かうことです。

 歩く場合は尾根だけを歩き、沢には降るのは厳禁です。
 大声で叫んで相手を確認する。携帯電話を持っていれば、通じるか確認してみましょう。
 なお、山では携帯電話が通じる場所と通じない場所がありますので注意して下さい。

夕暮れになり暗くなってきた場合

・その場を動かず、早めにビバークの用意をする。
・雨や風を防ぐことのできる木や岩壁等に身を寄せ、ポンチョやビニール袋(ゴミ袋)なので体温の低下を防ぐ。
・新聞紙を背中とお腹に入れ、防寒具とする。
・雨に濡れた場合、着替える。
・手足を動かし、体温の低下を防ぐ。

翌日になっても天候が回復しない場合

・飲み水、食べ物を確認し、持っている食料を数日間分に分ける。
・火を絶やさない。
・体力の消耗を避け、体温の低下を防ぐ事を考える。
・天候が回復するまでひたすら待つ。
・移動はしない。


朝になりキリが晴れたら


・太陽の上がって来る方向(東)を確認する。
・ライターやマッチがあれば、木を燃やし煙で知らせる用意をする。
・水、食料を確認する。
・あまり安易に移動しない。
・移動する場合、まず尾根に上がって周囲を見渡し、自分の居る位置を確認する。
・複数の人がいる場合、ケガに人や体力の消耗が激しい人を基本に行動等は考える。