本文へスキップ

「山歩き 初歩の初歩」は、山歩き初心者のための総合情報サイトです。

楽しい山歩きを提案します

山の知識




山の天気
自然を守る
紫外線・花粉症対策
山歩きの基本

紫外線・花粉症対策

紫外線とは

 天候に関して、夏山でもっとも気をつけなければならないのは紫外線です。
 夏山では平地とは比較にならない強い紫外線を浴びることになります。
 山では、短時間陽射しの中を歩いただけで、すごい日焼けをします。
 赤くなるのは炎症を起こしているサインです。サン(太陽)バーン(火傷)とも言われるように一種の軽い火傷と同じです。
 サンバーンという炎症は紫外線の影響により真皮の血管を拡張・充血させるため、外から見ると赤く見えます。

 軽いものならその症状は、8〜24時間の間にピークに達し、次第に赤みは消えますが、ときには痛みを伴って腫れたり、水ぶくれになったりすることもあります。

 日焼けの原因となる紫外線のうち、地表に到達し、人の体に影響を与えるのはUVAとUVB。UVAは真皮まで、UVBは表皮まで到達します。
 しかし、日焼けを起こす力では、UVBはUVAの600〜1000倍も強いといわれています。
 特に、急激に強い日差しを浴びた後の「サンバーン」は、ほとんどUVBが原因。UVBが表皮に吸収されると、細胞を傷つけます。
 すると、真皮にある血管が拡張し、血流が増えるため、赤くなったり、ヒリヒリと痛くなったりする炎症が起こるのです。

 低山ハイキング程度であれば、あまり気にならないかもしれませんが、少し高度が高くなると十分検討しておく必要があるでしょう。
 特に、普段あまり太陽の光を浴びていない人は、肌を露出しているとたちまち火傷のように赤く腫れ上がってしまいます。

 紫外線を予防するには、もちろん紫外線に当たらないことが一番です。しかし、山に登れば、紫外線を避けることは不可能です。

 日頃から、食事やサプリメント等でビタミンCを摂取し、紫外線に当たった後の対策をすると同時に、日焼け止め化粧品や日傘、帽子等を活用して根本的に肌に紫外線が当たらないようにする対策をとることが大切です。

 ところで、紫外線は太陽から届く光の一種です。日光浴は、従来、健康によいと言われていましたが、最近の研究では、紫外線に当たり過ぎると体にとって有害であることがわかっています。

 紫外線は当たりすぎると、しみ、しわ、皮膚がんなどの原因となったり免疫力を低下させるため、感染症を起こしやすくなると言われています。

 紫外線は高度が100m増すと1〜1.5%増えていきます。例えば富士山の山頂(3776m)では平地の約140%〜160%になります。 

 こういった紫外線が強いのですから、これを防ぐためには、少々暑くても肌を露出させないことです。普段日に当らない人が半袖シャツや半ズボンでかんかん照りの中を歩くのは危険です。

○紫外線対策としての帽子

 ポリエステルは紫外線を吸収する力があり、他の素材に比べ紫外線遮へい性に優れています。
 また、シルクやウールなども紫外線を吸収する力があり、一般的に使われている繊維の中では紫外線を遮へいしやすい素材です。

 できれば、サングラスと顔の隙間が小さいものを選びましょう。
 また、色の薄いものの方が、まぶしさで瞳孔が閉じるため瞳孔に入る紫外線の量が少なく、白内障の予防に良いそうです。 

 帽子は必携ですが、それでも首筋を完全にカバーするのは難しく、紫外線が当ります。
 首筋の日焼け防止には、襟のついたシャツがいいのですが、襟なしの場合はタオルやハンカチで首をカバーしましょう。
 襟付きのシャツは襟を立てましょう。

○サングラス

 ハイキング中、特に夏場など陽差しが強い時期は、太陽の光が岩肌や湖水等にも反射して目を刺激します。

 また、長時間、陽差しの強い山を歩いていると、目が疲れて充血したり、痛みやかすみを感じたりしてしまうのは、この反射光による刺激も原因のひとつです。夏の陽光のまぶしさがつらい人にはサングラスも必携です。
 特に長時間雪渓を歩くようなコースでは、かならず持参しましょう。

 サングラスは強い光から目を守るためのものですが、サングラスの選び方ひとつでかえって目に悪い影響を与えてしまうこともあります。

 サングラスの商品表示に「UVカット」と表示されていても、どの程度カットしてくれるのか不明な場合が多いので注意が必要です。
 「紫外線の透過率0.1以下」というように具体的な数値が表示されているものを選びましょう。透過率の値が低いものほどサングラスとしての機能が期待できます。UVカットを売りにしたサングラスでも、実は透過率が高かったり、書いてなかったりするので、透過率に注目するのが賢い選び方と言えるでしょう。

 安価なファッショングラスの一部には、UVを透過してしまうものがありますので注意が必要です。

 また、最近では目に優しい機能として偏光レンズを採用しているサングラスもあります。偏光グラスは自然光の波長は透過し、波長の変わった(偏光)した波長は通さない性質を持つレンズを使ったものです。

 偏光レンズとは、プラスチックやガラスなどのレンズを2枚合わせ、その間に「偏光フィルター」と呼ばれる反射光をブロックしてくれるものを挟んで1枚のレンズに仕上げた特殊なレンズです。
 偏光レンズ付きのサングラスは、光の反射や屈折、散乱を抑えるので、照り返しで見えにくいなどの問題も軽減されます。

○軍手

 一日中歩いていると、手首から先の日焼けも軽視できません。手の甲が真っ赤に火傷状態になります。これを防止するためには軍手が効果的です。

○日焼け止めクリーム
 
 それでも紫外線を完全に防備することは難しいので、肌が露出している個所には早めに日焼け止めクリームを塗っておくといいでしょう。

 ところで、日焼け止めクリームを購入する時に、SPFとかPAという言葉を目にするのではないでしょうか?
 これらは、いずれも紫外線防止効果の指標です。SPF値とはサンプロテクションファクター(Sun Protection Factor)の略で、UV−Bのサンバーン防止効果を表す数値です。紫外線が肌の内部に届くのを防ぐ日焼け止め成分には、2つのタイプがあります。
 一つは紫外線を反射させる成分、もう一つは紫外線を肌の表面で吸収してしまう成分です。
 こうした成分を配合した日焼け止めクリームには、UVAを防ぐ効果の目安としてPAが、UVBを防ぐ効果の目安としてSPFが表示されています。
 PAは、UVAによって肌が黒くなる性質を利用した測定方法で求めます。
 一方SPFは、UVB防止効果の程度を数値で表したもので、UVBによって肌が赤くなる性質を利用した測定方法で求めます。

 数値が高いほど、効果が高くなります。このSPF値の測定法は日焼けを起こす紫外線量を調べて表示されております。
 例えばSPF15の日焼け止めは、何も塗らないときに比べ皮膚に炎症を起こす紫外線の影響を1/15に減らします。山のように紫外線が厳しい場合には、SPF値の高いものを利用しましょう。

 紫外線防止剤には配合されている成分によって、紫外線を吸収して皮膚に届かないようにする「紫外線吸収剤」と、紫外線を反射して皮膚に届かないようにする「紫外線反射剤」の2種類があります。

 紫外線吸収剤は塗り心地がよいものが多いのですが、皮膚に刺激を与えやすく「かぶれ」などを引き起こすこともあります。
 一方、紫外線散乱剤は厚く塗る必要があり、皮膚につけると白くなりやすいなど、使い勝手は悪いのですが、皮膚への負担は小さくなります。

○日焼けしたら

 単なる日焼けと軽視し放っておくと、皮膚の老化は知らない間にどんどんと進んでしまいます。
 日焼けしてしまったら、丁寧に治療し皮膚の健康を保ちましょう。なるべく早いうちに濡れタオルや冷水シャワーでほてりを抑え、日焼けした部分を冷やしましょう。
 冷やすことにより、日焼けのダメージを最小限に抑え、痛みも和らげることができます。

 最近では、ローションタイプの冷却剤も出ています。爽快感がありますし、持ち歩いていればすぐに取り出せるので、とても便利です。

 また、日焼けした皮膚は水分不足の状態です。
 紫外線に当たると、皮膚は角質を厚くして、それ以上の紫外線から皮膚を守ろうとします。
 厚くなった角質では保湿成分が不足し、皮膚はゴワゴワとカサつくことがあるので保湿成分の入った化粧水をたっぷりつけ、クリームやオイルなどで水分の蒸発を防いであげましょう。

 「冷す」そして「水分補給」という応急ケアをするだけで、肌のダメージはずいぶんと軽減されます。
 日焼けを通り越してやけどのような状態になっている場合は、皮膚科の専門医を受診してください。

 湿布や内服の消炎剤を使用することで、症状も軽く済ませられます。
 また、日焼けをしすぎてしまった結果、水ぶくれ(水疱)ができてしまうこともあります。つい潰したくなる水ぶくれですが、絶対に潰してはいけません。傷口から細菌が入り、化膿することもあるからです。



花粉対策

 春先はハイキングには最高の季節です。芽吹いたばかりの木々の青さや春風に誘われて木々から可愛い花びらがふってきたりと・・・・・・・。あれあれ、余計なものまで降り注いでいるではありませんか。

 そうこの季節は花粉の季節でもあるのです。野山に飛び出したまではよかったが、体中に、杉花粉を浴びたりとか。

 花粉症などアレルギー症状は体質によるところが多いといわれますが、生まれ持った体質を変えるのはなかなか困難です。
 マスクなどの花粉防止対策と同時に、花粉が付着しにくい潤いと張りのある丈夫な粘膜作りも欠かせない対策の一つです。