高尾山の雑学・豆知識

八王子城跡の怪

 八王子城跡は、東京の幽霊目撃談の多いことでも有名な怪異スポットです。
中でも八王子城内にある御主殿の滝では、白装束の女が何人も滝つぼから顔をのぞかせていたという目撃談が後を絶ちません。

 豊臣氏の天下統一に真正面から立ちふさがった関東の雄「北条氏」でしたが、この八王子城を豊臣軍が攻め込んできた折は、その主戦力は、北条氏の本拠地である小田原城に結集しており、八王子城もその城主である北条氏照が、同じく小田原で籠城しているところでした。八王子城は留守を守る老臣とその家族そして近隣から集められた豪族、はては僧兵といった前田利家のような優秀な軍勢にはとても歯が立てる状況ではもともとなかったのです。北条氏といえば、文字通り「小田原評定」で方針がさだまらず、これらの政治判断の遅れと情報の遮断により、八王子城は孤立無援に陥ったのでした。

 多勢に無勢、圧倒的な兵力の前に、力尽きた八王子城の北条方は、ほぼ全員が討ち死に。また女性たちは八王子城は流れる川の滝つぼに次々と身を投げ、これにより御殿谷川(城山川)は真っ赤に染まったといいます。
落城の惨劇を気軽に登ってきたハイカーに知らせようとでもしているのでしょうか。

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