高尾山の自然観察ガイド
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高尾山を知り尽くした住民による紅葉情報
高尾山のもみじ
高尾山は、美しい紅葉に囲まれながら登山やハイキングを楽しめるおすすめの紅葉スポットです。自然の中で無理なく登山やハイキングを楽しめば、普段の生活の中で溜まった疲れやストレスも間違いなく癒されることでしょう。
高尾山は、江戸時代からの古い照葉樹林やブナなどの木々が保護されており、紅葉シーズン中は赤、だいだい、黄に色づいた木々がじゅうたんのように広がります。
都心に比べても比較的長い期間(例年1ヶ月程度)紅葉が楽しめる場所なので、自分の都合で、何度か足を運ぶと訪れる度に、また違う色合いが見れることになります。
高尾山の紅葉の見ごろとは
さて、その紅葉の見ごろについてです。
高尾山の紅葉は例年、10月下旬から始まりますが、おおむね11月中旬から12月上旬が紅葉の見頃といえます。
とはいえ、やはり最高のお勧めは、11月中旬から下旬にかけてです。
そうなんです、都心に比べると高尾山ではほぼ1か月程度遅めに紅葉するのです。忙しくて紅葉を見逃してしまった方は、ぜひ高尾山を訪れて紅葉を追いかけてみてはいかがですか
なお、高尾山はあくまで山ですから高の高低差があるので、紅葉の色づきや落葉具合も、実は場所によってまちまちです。
具体的には、高尾山の中においても、見頃は麓では11月中旬、山頂では11月下旬と微妙に変わってきます。
新緑の高尾山もよいのですが、紅葉の季節は、落葉に埋もれた参道を歩くことになるわけで、なかなか良いものです。
高尾山の紅葉の特徴
紅葉の時期には「いろはもみじ」などが約1ヶ月にわたって楽しむことができます。
東京都内の紅葉スポットというと真っ先に高尾山を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ところが意外なことに、高尾山はスギやヒノキといった針葉樹も多く、イヌブナが自然林として多いためやまぶき色の山でもあります。このため「全山真っ赤に色づく」とはいかないのです。
赤一色とまとまってイロハモミジが沢山見られる場所は、ケーブルカー周辺・山頂・薬王院の境内といったところです。あとは、赤、黄、緑と絶妙のグラデーションを楽しむことになります。
そうなんです。高尾山の紅葉の魅力は、何と言ってもその種類の多さです。紅葉の種類も、カジカエデやイロハモミジ、イタヤカエデ、シラキイヌブナなど、非常に鮮やかで多彩。これにイヌブナのだいだい色、針葉樹の緑!!このグラデーションこそが高尾山の紅葉の魅力です。
高尾山の紅葉イベント
高尾山では、この時期には高尾山では「もみじ祭り」が催され、ハイカー達を歓迎してくれます。マス酒や東京こけしの実演販売が行われるほか、土日祝日には太鼓や伝統芸能、音楽演奏やダンス、大道芸なども披露され、特産品の直売なども開催されるので、楽しみどころ満載です。
うまい升酒でほろ酔い気分で、紅葉をバックに伝統芸能やダンスを鑑賞するのも高尾山ならではの贅沢な楽しみ方ではないでしょうか。
また、もみじ祭りとあわせて、例年11月30日までスタンプを押しながらハイキングをお楽しみいただく「高尾・陣馬スタンプハイク」を実施されます。「高尾・陣馬スタンプハイク」は、京王線・井の頭線の各駅などで無料配布されているスタンプシートを持参の上、高尾山・陣馬山のハイキングコース等14ヵ所(平日は10ヵ所)に設置されたスタンプを集めながらハイキングを楽しむものです。
高尾山紅葉のベスト9
高尾山の紅葉ベストスポット
燃えるような高尾山の秋の紅葉は、本当に目を見張るような美しさです。
そんな高尾山のことですから、高尾山の麓から山頂まで、どこを歩いても、紅葉の美しさを楽しむことができます。
滝や小川、森、林などを見ながら歩けば、楽しさは一層、増すことでしょう。頂上に立てば、富士山や新宿の高層ビル群、さらには、関東平野を眺めることもできます。
そんなどこでも紅葉を楽しめる高尾山において、ここははずせないという紅葉絶景ポイントを紹介しましょう。
自然研究路1号路のもみじ
1号路がモミジの数が多く、おすすめです。
道幅が広く、足元は石畳やコンクリートで薬王院まで舗装されているので、山頂を目指す人で確かに混雑はしているのですが、安全にゆっくりと紅葉を楽しむことができます。(但し、ハイヒールなんてのは止めてくださいね)。
紅葉の季節になると朝の爽やかな空気と眩しい朝日を浴びながら、大勢の登山者が登っていきます。
ケーブルカーやリフトでもこの1号路に合流しますが、やはりここは歩いていきましょう。
1号路に沿って歩いて登れば、合流前の途中の「金毘羅台園地」から東京の素敵な風景と紅葉を望むことができます。
また、最近、高尾山の中でも最も美しい紅葉スポットのひとつとして人気の仏舎利塔付近の紅葉を楽しむことができます。仏舎利塔は、本道とは離れ、やや高台の奥まった場所にあるため、気が付かず通り過ぎる人の未だに多く、比較的人が少ない時間帯もあります。仏舎利塔に行くまでの道も紅葉の美しいグラデーションが楽しめます。
ケーブルカー・リフトから眺める紅葉
ケーブルカー」が有名ですよね。紅葉のなかを走るケーブルカーは、まさに絵画のようです。紅葉の見ごろ時期には最高の絶景が見られます。
麓の清滝駅から標高472mの高尾山駅までケーブルカーで結ばれた沿線上には、赤や黄色に色づいたオオモミジやイロハモミジなどが群生し、車内から紅葉する数多くの木々を眺めることができます。
ところで、高尾山の紅葉を楽しみたい方は、是非、ケーブルカーの一番前の場所を確保できるよう試みてください。一番前の場所は、立ち席ではあるのですが、前方・左右の紅葉が見れて一番見晴らしがいいのです。
ところで、私は個人的には色づいた高尾の山をリフトでのんびり空中散歩して楽しむのが好きです。 ケーブルカーは特に紅葉の季節は混雑しているとラッシュアワー並みにぎゅうぎゅう詰めとなってしまい、紅葉を楽しむ余裕ができるか心配にもなりますが、リフトならそんな心配は不要です。2人乗りなので、開放感と清々しい空気を一身に浴びながら、のんびりと贅沢な時間を過ごせます 山麓からもすばらしい景色を望めますが、特におすすめはリフト乗り場周辺です。全景を見渡せ、ここからリフトに乗って、のんびりと空中から紅葉を独り占めできます。乗ったひとしか見れない絶景といえるでしょう。
ただし、リフトはケーブルカーとほぼ平行して運行されているのですが、山上駅はケーブルカー高尾山駅より10mほど標高の低いところあり、急な階段を登らなければならないので、足の悪い方は多少並んででもケーブルカーを利用した方が良いかもしれません。
京王高尾山駅付近、ケーブルカー清滝駅付近
ところで、言い忘れてしまいましたが、高尾山に登る前に、とてもきれいな紅葉スポットがあるのです。
それは意外なことに駅周辺。京王高尾山口駅を降りるとすぐ、黄色く色づいたイチョウが出迎えてくれます。イチョウは少し早めの11月初旬に色づきます。また、高尾山口駅からケーブルカー駅までの道でも、左手にある川沿いで紅葉を楽しめます。
また、ケーブルカー清滝駅前の広場は、紅葉する木々に囲まれており、記念撮影スポットになっています。
なお、紅葉まつり期間中は、ケーブルカー「清滝駅」前ステージでは太鼓や音楽イベント、民踊、八王子車人形など八王子にゆかりのある様々な催しが行われますので、紅葉をバックに催しを楽しむのもまたいいですね。
このように高尾山に登る前から、既に紅葉を楽しめるわけですので、これはもう気分が盛り上がってきますね。
みやま橋付近
みやま橋というのは、高尾山登山コースで唯一の吊り橋です。
自然研究路4号路にあるので、1号路に比べてもあきらかにここまで来る人は少ないです。人混みを離れて紅葉を楽しみたい人におすすめのスポットと言えるでしょう。
2人で並んで歩ける幅のしっかりした作りの吊り橋で、揺れることは揺れますが、断崖の上に立つなんて恐怖心をあおられるようなものではありません。
色づいた木々に囲まれた吊り橋を渡れ吊り橋の上からは美しい渓谷や、赤・黄・緑に色づいた大自然の絵画を堪能することができます。なんて贅沢なひと時でしょう。
もっとも4号路といっても途中までは1号路と同じルートです。リフトにのり、サル園を過ぎたあたりに分岐があります。このルートでは薬王院には訪れることができませんが、登山と下山でルートを変えて両方楽しめばいいでしょう。
霞台展望台
次におすすめするのは、高尾山中腹にある展望台「霞台展望台」。
「霞台展望台」は、ケーブルカーの高尾山駅を降りると、すぐ近くにあります。
中腹より山頂から景色を観たほうがきれいなんではないかと思われるかもしれませんが、霞台展望台から観る景色も、山頂から観る景色に負けず劣らずきれいなんです
麓の方向に目を向けると、紅葉の絶景を一望することができます。晴れていれば紅葉とともに、関東平野や新宿副都心の高層ビル群など望むことができます。休息しながら、紅葉を見るのも楽しいものです。
薬王院境内
薬王院」の山門に到着します。
薬王院は、744年、奈良時代に建立された歴史ある寺院です。大本堂に祀られている本尊は、飯縄権現(いづなごんげん)で、薬王院は「成田山新勝寺」「川崎大師平間寺」とともに、真言宗智山派の三大本山として知られています。
山門をくぐると多くの登山者が感嘆の声を上げます。燃えるような紅葉と山門のコラボがとても美しく、日本の美の極みをもって登山者を迎え入れてくれるからです。
境内は至るところにモミジが植えられており、深紅に染め上げられた紅葉と朱塗りの仁王門ほか高尾山の歴史と趣きを感じさせる塔頭、山門、書院、大師堂、本社の木造建築が美しいコントラストを作り上げています。その景色はまさに「日本」の原風景、なんだかタイムスリップしてしまったかのような印象を持ってしまいますね。
また、ご利益をもたらしてくれる天狗像がたくさん設置されている高尾山は、都内有数のパワースポットとしても知られ、紅く染まるモミジを背景に天狗と撮影する観光客が多く見られます。
ここまでくれば高尾山の頂上まであと少しです。
高尾山頂
次におすすめする高尾山の紅葉スポットは「高尾山頂」。
徒歩での登山でも山頂までは1時間30分ほど、中腹から山頂へは1時間ほどで登れるのも魅力です。山頂への道も舗装されているので、登山初心者にも安心です。そもそも普段着で気軽に登山することができるのが高尾山の魅力ですから。
これまで述べてきたように山頂に来るまでに、きっとすでに紅葉を満喫されたことでしょう。それでも、高尾山の山頂から見渡す紅葉シーズンのパノラマは必見。見ごたえ十分です。
イロハモミジやカジカエデが山全体を彩る景色は絶景です。燃えるように鮮やかな紅葉を上から観ることができるなんて贅沢なんでしょう。高尾山の色づきとあわせて、周辺の山々の紅葉や、八王子市の黄色に色づいたイチョウ並木が見えることもあります。
また、空が晴れ渡り、雲も少ない日には紅葉だけでなく富士山も堪能できます。このため山頂はその美しい富士の景観美を楽しめるとして「関東の富士見100景」に選ばれています。
もみじ台
高尾山頂から西へ急な階段を下るとベンチがあって少し進むと「これより奥高尾」の標識があります。
ここから少し登ったところ、そうですね歩いて10分ほどでしょうか、ここにそのものずばりの「もみじ台」があります。(この先は一丁平と呼ばれる桜の名所があります)山頂からは10分ほど歩いたところにあるため、知らない人は訪れません。
登り切って満足した人は、ここに足を向けず下山することも多々あります。
今までの雑踏に比べればとても静かな山域です。
「もみじ台」は、その名の通り、高尾山の中でも紅葉が美しい場所です。
歩いてすぐなので、ぜひ立ち寄りたい場所です。
茶店を囲むようにしてもみじの林が広がっていますので、縁台に座ってお茶でも飲みながら深まりゆく秋を堪能してみるのもいいですね。
紅葉に囲まれた色鮮やかな世界に包まれ、まるで別世界に迷い込んだような気分になることでしょう。
小仏城山と一丁平
高尾山から奥高尾を1時間ほど歩いたところにある小仏城山でも紅葉を楽しむことができます。
小仏城山の山頂は、広々とした景色が広がっていて、八王子や相模湖方面の眺めも紅葉と一緒に楽しめます。
紅葉する木は、主に「城山茶屋」の周辺にあります。
また、ここに至る一丁平も、高尾山の紅葉スポットとしてぜひとも訪れたいスポットです。
太陽に照らされた黄金ススキと景色が広がり、天気の良い日には遠く富士山が姿をあらわすことも。一丁平には、東屋やベンチとテーブルがたくさん用意されており、綺麗で近代的なトイレもあるため休憩には最適なスポットです。秋の澄んだ空気を堪能できる場所です。
紅葉時の混雑状況
高尾山の紅葉は東京の人をはじめ外国人観光客など多くの観光客が訪れる紅葉スポットなので、電車を降りた時からテンションマックスという感じで楽しんでいただけだけることと思います
特に、11月中はもみじまつりがあり毎日イベントが行われているのでかなり混雑します。
そんな紅葉の高尾山で、少しでも人が少ない登山を楽しむなら、やはり早朝登山がおすすめ。
早朝の、できれば始発電車に乗れれば高尾口駅には6時過ぎには到着できるアクセスの良さが高尾山の魅力です。
さすがに6時はという方でも、できれば朝8時前までには登山口に到着したいものです。とはいえ朝早くても、きっとシーズン中はかなりの人でケーブル乗り場は賑わっているはずです。ケーブルカーやリフトは1時間待ちになることもありますので、お出かけには余裕を持った計画と行動をおすすめします。
また、観光地化している高尾山ですからトイレも山にしてはたくさんある方ですが、やはり女性トイレは行列ができます。特にシーズン中の休日のトイレの混みようは大変です。女性用のトイレは50分待ちとか・・・・(ここはディズニーランドかいって突っ込みを入れたくなりそう、ファストパスはないんかい)。
高尾山のトイレ情報はこちら
八王子城のもみじ
高尾山は、人気のある紅葉スポットですが、少し外れた八王子城もなかなかの絶景ポイントです。
高尾山と同様に八王子城跡の紅葉の見頃も11月中旬から12月上旬です。特に曲輪や二の丸周辺は隠れた紅葉の名所です。是非一度お越し下さい。