高尾山の観光ガイド
高尾山口駅から清滝へ
京王高尾山口駅は、東京都八王子市の西にあり高尾山の文字通り玄関口です。
高尾山に登る道は、いくつもありますが、やはり一番ポピュラーなのは、まずはこの高尾山口駅から徒歩で5分ほどの清滝に向かうことでしょう。
駅前から川沿いの小道を進んで行くわけですが、途中には飲食店や土産物屋が並んでおり、これを眺めていくのもまたおもしろいものです。
およそ5分ほどで清滝に着きますが、ここにはケーブルカーやエコーリフトの山麓駅があり駅前が広場となっています。
統計によると京王線高尾山口駅の利用客とリフトとケーブルカーの利用客がほぼ同数ということですから、ほとんどの人がこのリフトかケーブルカーを利用していると言うことでしょう。
もちろん元気な方は是非とも歩きで薬王院や高尾山頂を目指していただきたいものです。
ケーブルカー
清滝駅から高尾山駅まで5分30秒で駆け登る高尾山ケーブルカーは、高尾山を訪れる人の人気の乗り物です。
31度15分というもっとも急な勾配は文字通り日本一です。特にもみじの頃には両側が真っ赤に染まった紅葉のトンネルを抜けて走り、それは絶景です。
ケーブルカーの最大乗車人数は135名ですが、行楽シーズンにはピストン輸送で山上まで運んでくれます。それにしてもこの急勾配でロープが切れたらどうしようなんて心配したくもなりますがご安心。
使用されているロープは法定の安全率の8倍以上の強力なものが使われているとのこと。また万が一切れたとしても、わずか2メートルほど滑っただけで止められる強力な自動制御のブレーキが付いておりレールをしっかりとつつみこみ安全に停止できるそうです。
ところでこのケーブルカーの高尾山駅に、11人乗りのエレベーターが設置され、車椅子利用者や高齢者らに便利になりました。
これまで、高尾山駅のホームは、ケーブルカーという性格上、階段状で、しかも傾斜がきついため、お年寄りや障害のある方にとっては、降りてから参道に行くまでが大変でした。
しかし今回ホーム最下段に設置されたエレベーターを使って上がると、薬王院参道につながる道に出られるようになります。
ケーブルカーに乗車・あるいは下車する際は、駅員を呼んでから利用することになります。車椅子利用者、障害者、ベビーカーを押す人が優先されます。高尾山に誰でも気軽に来てもらいたいと、高尾登山電鉄が国土交通省の補助金制度を活用して設置したとのことです。
また、ケーブルカー車両2台が平成20年に新しくなりました。
1927(昭和2)年に開通し、戦時中に一時休止したのですが、49(昭和24)年に運行を再開したというケーブルカーですが、車両のリニューアルは68年以来40年ぶりのことで昭和初期の開通以来、4代目とか。
「あおば号」「もみじ号」という親しまれた名前はそのままですが、それぞれ青葉と紅葉をあしらった新しいデザインに変わりました。
ホームの広さに制約があるため、大きさや最大定員(135人)などは従来のままとのことですが、高尾の移りゆく景色を見やすする窓の改良がなされました。
車内の照明を天井から壁に移動し、間接照明にしたことで、これまでに比べてやや少しおしゃれな雰囲気(!?)になったようですね。
また、平成26年には、46年ぶりの巻き上げ機(モーター)交換工事がを行われました。ケーブルカーは、1968年から使ってきた2代目モーターの老朽化が目立ってきたため、平成26年2月5日から運休してモーター交換や運転室の制御設備の更新工事をしてきたのでした。
高尾山の登山者は、一時期、減少傾向となっていたんですが、2007年にミシュラン日本版旅行ガイドで三つ星評価を受けてからは急増、海外からの訪問者も見かけるようにもなりました。ケーブルカーと、並走するリフトを合わせた輸送客は、今では200万人を超えているようです。観光客の急激な増加に伴って、ケーブルカーも近年は臨時便を運行することが多く、モーターの傷みも早まったため約6億円を投じて改修したということです。
エコーリフト
東京オリンピックの時といいますから、昭和39年、この年に1人用リフトが動き始めました。
昭和46年には当時ではちょっとユニークなベルトコンベア式の乗り降り装置なるもので2人用リフトに衣替え、現在に至ります。
普通、リフトというとスキーゲレンデにあるように自分が座る場所まで移動しますが、高尾山のリフトには座る位置までベルトコンベアが運んでくれるのです。
係員のおじさんの「待ってね」「はいOK」の指示に従ってベルトコンベアーに乗ると後ろから自分が座るべきリフトがやって来るわけです。
まさにドッキングって感じですね。
しかし、このベルトコンベアの上で歩いてしまったり、乗るタイミングを逸するあれれーードッキング失敗で自分の椅子はかなたへと旅立ってしまい、再チャレンジとなるわけです。
腰の曲がったおじいさんや、せっかちで椅子がくるのを待っておれない人は要注意ですね。
ともあれ、全長872メートル、山上駅まで約12分、このリフトは、ケーブルカーに負けず劣らずすばらしい景色が楽しめます。
しかしなんといってもケーブルカーと違うところは急勾配のスリル満点なところ。
足下に四季折々の木々や花々を見ながら登っていくのは本当にすばらしいの一言。できれば恋人と12分間の空中散歩としゃれてみたいところですね。
大晦日から元旦にかけては終夜運転されます。
フル稼働するわけですが何せそもそも訪れる人が多いものですから、乗るまでに結構待たされてしまいます。
待合室が広いわけではありませんので、外に長い列が続き、かなり寒さがこたえます。
防寒の準備はお忘れなく。
ところで大晦日の22時の終夜運転開始から元日の18時までの間にこのケーブルカーやリフトを使う人はどれくらいいるとおもいますか。
高尾登山電鉄の話によると総輸送人員は、約6万人だそうです。1月2日は昼間だけの運転なのですが約2万5千人ほどとか。
もちろんこれは切符を販売した数字ですので、大半の人が往復で買うのでしょうから多分実質的な数字はこの半分ほどかもしれません。
私なんか大晦日の夜に歩いて参道を登って行きますのでこれらの人を加えると概算で元日が約3万人、2日は約1万5千人が高尾山に登って行くのではないでしょうか。1年で一番高尾山が賑わう日なのでしょう。
薬王院、高尾山頂へのアクセス
さて、ケーブルカーやリフトは楽しそうだけれど、やはり歩いて高尾山麓広場から薬王院あるいは高尾山頂を目指したいという方は、徒歩による「登山ルート」としては、高尾山自然研究路1号路、6号路及び稲荷山コースの3つがあります。
高尾山薬王院への表参道をたどる自然研究路1号路は、サル園やたこ杉、灯籠が並ぶ道、男坂と女坂、そして薬王院と見所いっぱいの王道コースです。
舗装路で歩きやすく、またケーブルカーやリフトを利用することで、1号路の途中から合流できて急坂を省くことができますので、高尾山を訪れる人に最も利用されている人気のコースです。
【1号路(所要1時間40分)】
清滝駅前広場-(50分)-ケーブルカー高尾山駅-(20分)-高尾山薬王院-(30分)-高尾山山頂。
自然研究路6号路は、多摩川の源流の1つとも言える「前の沢」沿いを歩くコースです。
沢の流れる音を聞きながら、静かに、ゆっくりとこの6号路を登っていると心が癒されます。途中で沢に入って飛び石を歩いて渡るのがこのコースのハイライトになります。
標高差は399メートルという高尾山の中ではかなりハードなコースですが、「岩屋大師」や「琵琶滝」などの見所もあり、変化に富んだ人気のコースです。
【6号路(所要1時間40分)】
清滝駅前広場-(30分)-琵琶滝-(30分)-大山橋-(30分)-自然研究路5号路交点-(10分)-高尾山山頂
稲荷山コースは、高尾山の主稜にあたる1号路の南東に伸びる尾根を歩く快適な道で、自然研究路の中でも最も登山気分に浸れると言われ、標高差398メートルのとても人気の高いコースです。
ケーブルカーを使わずに、山麓の清滝駅の真横から山頂までを登るコースです。
【稲荷山コース所要1時間40分)】
清滝駅前広場-(40分)-休憩舎-(50分)-自然研究路5号路交点-(10分)-高尾山山頂
なお、1号路は表参道として舗装されていますので、足元はスニーカー程度でも可能ですが、6号路及び稲荷山コースは、あくまで登山コースですので、それなりにしっかりとした靴を履いていくことが必要です。登山コースの詳細はこちらで説明してありますので、ご参考にどうぞ