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高尾山の自然real estate


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高尾山の昆虫類

  昆虫の日本三大宝庫の一つで、採集のメッカともいわれる高尾山で、今後昆虫採集ができなくなるかもしれない。
 平成17年3月、高尾山や奥多摩、小笠原諸島など都内の自然公園の適正な利用を検討しようと、有識者からなる都の検討会が中間報告を公表した。そこで提案されたのが、昆虫保護を目的とする「虫捕り網の持ち込み禁止」だった。

 高尾山は国定公園であり、動植物採集が規制される特別保護地区の対象外だが、5000種を超える昆虫が生息し、首都圏の愛好家の聖地であるとともに、夏には子どもたちが採集に訪れる。
 小笠原諸島のように隔離された地域は、理解できるが、高尾山までも一律に採集規制しようという報告に、愛好家が猛反発したのだ。その結果、検討会の最終報告は「昆虫の保護を図るため、現地の状況を考慮した適切な対策を実施する」と表現が改められた経緯がある。

 もっとも、高尾山では、利用マナーの啓発や不正行為の監視を行うため、二年前から配置している都の自然保護員が、昆虫採集に来た人を見かけると、自粛を呼び掛けるようにしており、既に実質的な規制が行われていたといえる。しかし、実際に高尾山では動植物の採集を規制する法律はなく、お願いでしかない。愛好家とのトラブルも発生しているという。

 都環境局は「高尾山という狭い範囲で採集すると、昆虫が急減するなど環境への影響が大きい」と自然保護を強調するが、「生態系に影響を及ぼすという科学的な根拠はない。昆虫採集くらいなら、繁殖力で個体数はカバーできる」と反論する専門家もいる。

 確かに高尾山は年間200万人以上が利用し、オーバーユースの状態である。自然が荒れてきているのは事実で、生物の多様性や公園の目的を考えれば神経質にならざるを得ない」という考え方も納得的である。しかし、本当に自然保護を考えるなら、昆虫採集より先に高速道路などの開発行為を規制すべきだとの考えもある。

アサギマダラ

 高尾山で出会える不思議なチョウにアサギマダラがいます。

 アサギマダラは、タテハチョウ科マダラチョウ亜科に属し、羽を広げると10cm前後の大きさ。あまりはばたかずにふわふわと上品に飛ぶ浅葱色の斑紋様の透けるような薄い羽を持った可憐なチョウです。
 逆光で見るその容姿は、まるでステンドグラスとその美しさを絶賛する人も多いようです。羽には鱗粉がほとんど無いことも特徴です。初夏から発生しますが、晩夏から秋にかけて見る機会が多くなります。

 さて、このチョウが、ことに有名なのは「渡り」をするチョウとしてです。このチョウは、春から夏にかけては本州等の標高1000m〜2000mの涼しい高原地帯で飛びまわりっているのですが、秋には冬越しのために、南方へ移動を開始します。
 最近のマーキング(印づけ)調査で、このチョウは海を渡って1000km以上も大移動するというのがわかってきました。
 これが「渡り」といわれるもので、その飛行距離は、1日に何十キロと推定されます。海を渡って本州から台湾や沖縄までも飛んでいくといいます。実際、2000年に台湾台北市北部の陽明山でマークされた2個体が、鹿児島県と滋賀県で捕獲されました。

 全国の研究者や愛好家は、このようなベールに包まれた神秘性にかきたてられ、また長距離移動のルートを調べようと、捕獲したチョウに記号をつけて放しています。

 アサギマダラは春から秋にかけては、高尾山でも多く見つかっています。是非、高尾山においでの折には、この神秘的なチョウを探してみてください。運が良ければ、台湾や遠方からきたマークをつけたチョウと出会えるかもしれません。

アサギマダラの不思議

カンタン

 高尾山の秋は虫達の音楽会である。その中でも「幻の虫」とか「鳴く虫の帝王」とか呼ばれているのが「カンタン」で8月中旬から11月上旬まで鳴き「ルルルルルルル.....」といった感じで聞こえる。

 この季節になると八王子市観光協会が主催し「カンタンの声を聞く会」が行われています。カンタンは長さが約2cm、幅が3mmと非常にスマートな虫ですきとおるような黄緑色をしている。見るからに弱々しい(おっとカンタンに失礼!?)虫でそのためか昔から俳人や歌人にも愛好者がいるようだ。

 昆虫は変温動物だから動きや鳴きも気温に支配される。低温だと羽根の動きが鈍くなり、音量も小さく低音になる。高尾山のカンタンが人の心にまでしびれさせるように鳴くのはそんな高尾の自然からきているのかもしれない。ちなみに東京ではカンタンが聞けるのは高尾山のほかは陣場山、御岳山、大岳山くらいだという。                                      
 ところでこのカンタンを飼育している方がおられるそうです。小平にお住まいの昆虫研究家 小野公男さんがその人です。東京から年々減っている虫を保護して人工飼育、自然に返そうと、昭和42年に「多摩カンタン保存会」を結成。今では「鳴く虫友の会」に発展し、関東三都県に四つの支部と百五十人の会員がいるそうです。 
    
 氏は、この「鳴く虫の帝王」といわれるカンタンの研究家としても知られています。昭和39年の東京オリンピック直前に、カンタンの美しい声で外国選手を慰めたいという学者の記事に触発されて、見たこともなかったカンタンの人工飼育に挑戦したのが始まりだといいます。今では、自宅マンションの屋上にプランターやブロックを敷き詰め、カンタンの好むヨモギやメハジキソウ、オオブタクサを植えて小さな野原を再現。カンタンを放し飼いにしているそうです。高尾山と同じように、午後7時半ごろになると鳴きだすといいます。 

 ところでこの「カンタン」という名前の由来とされている故事成語の「邯鄲の夢」は、実は虫のカンタンとは関係ないのではといわれている。かつて中国の邯鄲という町で廬生(ろせい)という青年が栄華を極める夢を見たが、目が覚めてみると夕食の大粟がまだ煮えていないほんのわずかの時間だった。栄華とははかないとの例えに用いられる故事だが、この故事の中には地名以外カンタンは出てこない。

 また邯鄲のまちにカンタンは生息していない。学者の中にはこのカンタンの由来を調べている人もいるが、未だに解明されていない。

ハンミョウ

 ハンミョウは青と橙が鮮やかに光る昆虫です。 日光に当たるとキラキラと鮮やかに光るのですが、これは鳥を寄せつけないためとか、太陽の光を反射して体温を上げないためとか言われているようです。
 
 それにしても人の前へ、前へ、と道に沿って少しづつ、飛んでは止まる、と言う動作を繰り返す事から、「道教え」という名でも有名です。

 なお、オサムシ亜科(食肉亜科)の名の通り肉食です。幼虫は堅い地面のある場所につくられた縦に長い巣穴で暮らし、小型の昆虫を主食として育ちます。

 漢字で”斑猫”と当てるように、その動きもネコのように俊敏です。獲物に襲い掛かり鋭い大アゴで銜える姿はまるで猫のように見えることに由来しており、英名ではタイガービートルと呼ばれている。
 俊敏なわりに遠くまで逃げようとしないの生息場所が限定されているためと考えらています。

 日本に生息するハンミョウは亜種も含めて30種ほどとされています。
 最近では見かけなくなっているようだが、綺麗な小川が流れて更に日当たりのよい砂地があるような場所であれば、多数見ることができる。自然に恵まれた高尾山では、当然目にすることができる。

マイマイカブリ

 マイマイ(カタツムリ)の殻に頭をつっこみ、口から出す消化液で、肉をとかして 食べることからこの名がついた。

 カタツムリに入りやすいように、頭と胸が細くなっ ている。ミミズなどカタツムリ以外の虫も食べるが、カタツムリを食べないと産卵す ることができない。
 幼虫はカタツムリだけを食べて育ち、1回だけ脱皮する。成虫・幼虫ともに夜行性。
 日本固有のマイマイカブリは体が大きいが、殻の中に首(頭胸部)をつっこんで食べるために例外的に頭胸部が細長くなっているのが特徴とか。

 後ろ羽が 退化し、しかも前羽が背中でくっついていて飛べないため、遠くまで移動できない。そのために、形や色の異なった亜種が全国にたくさんいる。平地から山地にかけてすんでいるから、高尾山でもよく目にする。

 なお、マイマイカブリは、捕まえるとメタアクリル酸とエタアクリル酸を主成分とする液を腹部末端から噴射する。強い酸の臭いがし、人の皮膚につくとピリピリと痛みを感じるので、触る際には十分に注意のこと。

ノコギリクワガタ

 昆虫綱甲虫目クワガタムシ科に属する昆虫。クワガタの中でも最もなじみ深い種類のひとつであり、それなりの体格と角の格好良さから子供の人気も高く、高尾山でも、夏休みに入った小学生などによく捕まえられているようで、その意味ではカブトムシと人気を2分する昆虫かもしれない。

 ノコギリクワガタは日本国内では北海道から屋久島まで、ほぼ全国に生息しているとても身近なクワガタ。

 平地から山地にかけての森林や、都市郊外にある小さな林などにも生息しており、まるでノコギリのような角を持つクワガタです。 体長に対して角が占める割合が大きく、角を持たないメスは小柄に見えます。

 体長は雄36〜71ミリメートル、雌24〜30ミリメートル。黒褐色から暗赤褐色のクワガタムシで、光沢はやや鈍い。雄の大あごは強大で、小形のときはまっすぐ前へ伸びて内側に鋸状に歯があるが、大形になると牛角状に湾曲し、内側の歯は先半分だけになり不ぞろいになる。

 成虫は7、8月ごろ低山地から平地に多く、クヌギ、ナラ、ヤナギなどの樹液に集まり、夜灯火にもくるが、幼虫は広葉樹の朽ち木の中にすむ。寿命は成虫となるまでが1〜2年で、成虫の期間は1〜3か月ほどなので寿命も1〜2年ほどです。 飼育下などでは稀に冬を越すものもいるようですが、普通は越冬できない。

ミヤマクワガタ

 ミヤマクワガタ(深山鍬形 Lucanus maculifemoratus)は、甲虫目・クワガタムシ科に属するクワガタムシの一種。

 普通種であり、その姿はいかにも「クワガタ」、勇ましい風貌から、ノコギリクワガタとともに古来からクワガタムシの代表として親しまれてきたのです。

 頭部に冠状の突起「(頭部)耳状突起」を有する。これはミヤマクワガタの最大の特徴です。
 南西諸島や一部の離島を除く、ほぼ日本全土に分布し、旧環境庁により指標昆虫に指定されている。

 「深山」(ミヤマ)の名前のとおりやや山地性で、高尾山でも見かけるが、関西では平地〜低山地にも広く分布するようだ。

 クヌギ、コナラなどの樹液にやって来る。山梨県などでは昼間に活発に活動するが、関西では他のクワガタと同様 夜の方が見つけやすい。成虫では越冬しない短命タイプのクワガタ。

コクワガタ

 都市周辺ではもっとも個体数が多く、クワガタと言えば昔からノコギリクワガタのことを一般的に指すが、馴染みのあるのはコクワガタの方ではないだろうか。

 採集では必ずと言っていいほどに出会うクワガタだが、子供たちの人気は今一つ。高尾山まで行ったけど「コクワガタしか採れなかった」と言われがちな、馴染みはあっても世間的には優遇されていないのがちょっと寂しい。暗褐色〜黒色で、鈍い光沢がある。

 オスは、頭楯が幅広で、大顎は細長い。大顎の中央付近にやや上向きの大きな内歯があり、先端近くにも小さな内歯がある。内歯の大きさには個体変異があり、小型個体では消失する傾向がある。上翅の点刻はあまり目立たない。
 メスは、頭楯がほぼ台形で大顎は小さい。上翅の点刻はオスよりも大きくやや目立つ。

 主食は樹液で、クヌギ・コナラ・ヤナギなどの樹液によく集まるが、他にもクリ・アベマキ・ポプラ・カシなどにも集まる。
 昼は木の洞や隙間に潜んでいることが多いが、曇りの日などは活動していることもある。
夜になるとクヌギ、コナラなどの樹液に集る。灯火にもしばしば飛来する。

スジクワガタ

 上翅に細かい木目のような縦筋があるクワガタムシ。
 スジクワガタというが、小型のオスとメスには明瞭な縦筋があるが、大型のオスには実は縦筋がない。
 また、大型のオスは、大顎の中央部より前方に内歯をいくつか持つ。

 コクワガタよりも気温の低い環境を好むため標高の高いところで見つかる。
 学名の"striati"は「線」、"pennis"は「羽」、という意味。雑木林の樹液に集まるが、地上や、道の側溝でも見つかる。
 灯火にもやって来る。幼虫はクヌギ、コナラなどの朽ち木の中で育つ。成虫で越冬する。

カブトムシ

 「昆虫の王様」とも呼ばれ、クワガタムシと並び人気の高い昆虫である。体長はオス30-54mm(角を除く)、メス30-52mmほどである。かつては日本最大の甲虫とされていたが、1983年に沖縄本島でヤンバルテナガコガネが発見され、その座を譲った。

 里山や自然公園などの雑木林でよく見られ、夜にクヌギ、コナラなどの樹液に集まる。もちろんここ高尾山にもいます。

 オスの頭部には大きな角があり、さらに胸部にも小さな角がある。オスは好戦的で、オス同志やクワガタムシなど他の昆虫と始終小競り合いをしているややけんかっ早いのが玉に瑕の王様。。

 戦う際には、頭部の角を相手の体の下に入れて投げ飛ばすという技が得意。日中にも、樹の幹で静かに樹液を舐める個体を見かけることがある。雑木林の周囲の灯火にもよく飛んでくる。

 また、角は長いほどオス同士の闘争の際に有利になる反面、タヌキやハシブトガラスといった天敵に捕食されるのを避けるには短い方が有利であることが研究で明らかになっているようだ。

カナブン

 四角い頭部をもった、なじみ深い甲虫目コガネムシ科の昆虫。夏出現し,ブーンと羽音をたててクヌギなどの樹液に集まることで知られているが,モモなどの果実にも飛来し汁を吸う。

 体長25mm内外,エナメル光沢のある茶色か青銅色,時に緑色や紫青色、緑銅色、黄褐色、緑色、茶褐色、赤褐色、濃藍色など、色彩変異がある。

 雑木林の林内や周辺で普通に見られ、都会の公園でも発生している。高尾山では非常によく見かける。
 日中、活発に活動し、樹液に来たり、林の周辺を飛び回る。夜、灯火にもやってくる。そんなわけで、都市部では自動車に敢然とアタックしあえなく玉砕、道路で死んでいるのもよく見かける。

 普通の甲虫は、後翅を広げて飛ぶためには、上翅(前翅)を立てないといけないが、カナブンやハナムグリの仲間は、上翅を立てずに後翅を広げて飛ぶことができる。

ヤマトタマムシ

 日本の甲虫の中で最も美しいといわれる。
 緑色の金属光沢があり、背中に虹のような赤と緑の縦じまが入る。
 見る角度によって色が変わって見える。英語でJewel beetle(宝石のような甲虫)と呼ばれる。
 天敵である鳥は、「色が変わるもの」を怖がる性質があるため、この虫が持つ金属光沢は鳥を寄せつけないためといわれている。

 幼虫はケヤキ、カエデなどの枯死部や倒木を食べるが、成虫はこれらの木の高い梢におり、低い場所にはあまり下りてこない。
 暑い夏場に、突然、翅をV字型に開いて飛ぶ独特な斜体の飛翔個体を見ることができる。

 ところで、前述のようにヤマトタマムシの上翅(じょうし:上の硬いはね)は、死んでも色が変わらないので、法隆寺宝物「玉虫厨子」の装飾として使われている。
 またこの昆虫の色彩が変化することから、どのようにも解釈ができ、はっきりとしないものごとの例えを「玉虫色」という 。どこぞの国の政治家さんたちが得意とする「玉虫色の回答」ってやつ。

ゴマダラカミキリ

 昆虫綱甲虫目カミキリムシ科に属する昆虫。
 日本各地のほか台湾、中国などに分布する。
 
 体長25〜35ミリメートル。黒色で光沢があり、前胸背面の2紋、小楯板(しょうじゅんばん)、上ばねに散在する紋、触角節の各前半、体下面は白い微毛で覆われる。前胸両側にはとがった突起があり、触角は体より長く、雄では2倍に近い。

 成虫は6〜8月に現れ、雌は幹の根もと付近に横3〜4mm,縦1〜2mmのかみ傷をつけ,その中に1個の卵を産みつける。
 孵化(ふか)した幼虫は初め樹皮下を、のち材部を食べて育ち、根の中に侵入することもある。ミカンなどの果樹や街路樹、庭木の大害虫として有名である。加害樹は数十種が知られている

アキアカネ

 平地や丘陵地の池、水田、溝川などで広く発生する。どこでも普通に見られ、一番ポピュラーな赤トンボで、「夕焼け小焼けの赤トンボ」と歌われているのは、このアキアカネだと言われています。

 成虫は6月はじめから平地や低い山地の池や沼(ぬま)、水田などで羽化をはじめ、7月ごろまで続きます。その後、山地に移動(いどう)して夏をすごします。9月になると平地におりてきて、11月ごろまでは見ることができます。

 羽化した直後は、オス・メスともに胸(むね)が黄色で腹部(ふくぶ)はだいだい色ですが、秋になると胸がかっ色になり、オスでは腹部全体が赤色、メスでは腹(はら)の上のほうだけが赤くなります。
 にた種類に“ナツアカネ”がいますが、胸の黒いすじの形で区別できます。成熟しても、頭部や胸部はあまり赤くならない。胸部の側面には、明瞭な黒条を持つ。

オニヤンマ

 トンボ目・オニヤンマ亜科
 黒地に黄色い縞模様を持つ全長11cm前後・後翅長5~6cmと、現生する日本最大のトンボの種でもある。

 黒い体に胸部には八の字、胴体には横に黄色い縞模様が入っている。
 複眼は鮮やかな翡翠色をしているが、生命反応がなくなると黒く濁ってしまう。
 また頭部正面の中央で、わずかだが左右の複眼が接触している。

 幼虫、成虫とも普通は自分より小さな小動物を食べる肉食性。幼虫はパワーショベルのような下顎で餌物を捕える。
 普段は砂や泥の中に体を埋め、頭部だけ出して餌物が近づくのを待っている。人間の皮膚をも食いちぎれるほど強靭なため、捕獲の際には注意が必要。
 成虫はオオスズメバチやシオヤアブなど大型昆虫を捕食することもある。

 その飛行速度は時速70kmと、日本昆虫界では最速、トンボの種としてもギンヤンマの最高時速100kmに比肩し得る速力を誇る。

 成虫はおもに6月~9月まで活動し、山間部を中心に活動する。
 風の流れに敏感で、稀に気流に誘われて高速道路や都市部の郊外に顔を出すこともある。
 縄張り意識が強く、普段は気流に乗りながら自身のテリトリーをパトロールする。

ムカシトンボ

 黒色で、黄色の条紋がある。他のトンボ亜目(不均翅亜目)各種とは異なり、前翅と後翅の形状がほぼ同じ。
 生殖器など多くの部分に原始的な特徴をとどめているため、「生きた化石」として世界的に知られる。ムカシトンボ科で現存するのは日本産の本種のほかに、ヒマラヤに1種と中国北東部に2種がいるのみ。
 山間部の森林に囲まれた渓流に生息する。オスは、渓流の上をホバリングを交えて長く飛び続ける。メスは、岸辺のウワバミソウ、ハナウドなどの茎やジャゴケなど苔類に産卵する。
 静止時には枝にぶら下がり、両翅をそろえて背面にたたむ。
 幼虫・成虫とも肉食で、他の昆虫類や小型動物を捕食する。

ヒメカマキリ

 国内に生息するカマキリの中で、唯一ハナカマキリ科に属する種類。
体色は緑色系のものと褐色系のものがいるが、背部が褐色で前脚が緑など、部分的に混じる個体が多い。前胸は中央部が細くくびれる。後翅腿節の先端近くに小さな葉状片をもつ。

 中脚と後脚は斑模様をしており、腿節先端付近に棘状突起がある。
複眼は線状の複雑な模様があるおもに雑木林の林内や林縁の樹上に生息し、動きが敏捷。飛翔することが多く、灯火にも飛来する。

 サツマヒメカマキリによく似るが、出現期が異なる(本種の成虫は9-11月、サツマヒメカマキリは5-7月)

ナナフシ

 擬態(ぎたい)する昆虫の代表的な昆虫で、木の枝に擬態する。
 ナナフシと呼ばれている昆虫がナナフシモドキやエダナナフシなどです。"モドキ"は「似ているけれど本物ではない。」場合に使われます。ただし、ナナフシモドキには"モドキ"がつきますが、本物のナナフシです(何が何だか)

 日中はじっとして枝そっくりに擬態している。夜間に葉を食べていると思われる。
 ナナフシなのになぜモドキが付くのかよく話題になるが、ナナフシ(枝)に“似せている”=“モドキ”という意味で使われているというのが正解のようだ。
 幼虫は、脚が縞模様をしている。

 本種はエダナナフシ(Phraortes illepidus)によく似るが、本種の触角は短め(前脚腿節の約半分)なのに対し、エダナナフシでは触角が大変長いので区別できる。

ウスバカゲロウ

 漢字では「薄翅蜉蝣」と書きます。
 体長は40o前後で、6月〜10月くらいに見る事ができます。
 分布は北海道、本州、四国、九州と全国どこででも生息しています。
 
 見た目はトンボのような容姿の昆虫ですが、トンボと違って翅を後ろに揃えてとまる、という違いがあります。
 また体がトンボよりも細く、目もトンボほど大きくはありません。
分類上はアミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科に属する昆虫で、カゲロウと名が付いてはいますが、カゲロウという昆虫とは全く違う種類の昆虫になります。
 
 ウスバカゲロウの幼虫であるアリジゴクはすり鉢状の巣を作り、そこに落ちてくるアリなどの虫を大きな顎で捕まえ、その体液を吸って成長します。また、雨が当たらない場所など、あまり水気を帯びない場所に巣を作る事でも知られています。
 しかし寿命は短く、羽化してからたったの2週間で死に至る。

ヘビトンボ

 山地から平地にかけての渓流に依存する大形の、ややトンボを思わせる特異的昆虫。

 胸部は長く、翅を広げた姿はあたかもヘビに翅が生えているかのように見える。
 翅には黄色い斑紋がある。 成虫はクヌギなどの樹液に集まり、灯火にもよく飛来する。
 ヘビトンボの名は、これを捕まえると頭胸部をヘビのように動かし、かみついてくることによる。不用意に捕まえると、大顎で噛みつかれる。

 幼虫は肉食性の水生昆虫で、カゲロウ類の幼虫やミズムシ(Asellus hilgendorfi)等を捕食する。
 橙褐色で、腹部に8対の糸状突起(腹側突起)がある。河川の水中で生活し、大顎で水生昆虫を捕らえて食べる。俗に「孫太郎虫」と呼ばれ、その黒焼は、子供の疳に効く民間薬として利用される。また、 カワムカデとも呼ばれよく釣りの餌に使われる。
 幼虫は成熟すると上陸し、土中で蛹化する。


アブラゼミ

 昆虫綱半翅目(はんしもく)セミ科の昆虫。北海道から屋久島(やくしま)までの各地、朝鮮、中国に分布。日本ではもっともふつうなセミ。

 体長34〜40ミリメートル。
 はねは赤褐色で不透明、中胸背は一様に黒色で、腹部両側は白粉で覆われる。7月中旬から9月下旬に出現するもっとも普通なセミで、ジージリジリジリと鳴く。
 卵期は約1年、幼虫は地中で樹木の根から汁を吸い、7〜8年を経て成虫になる。成虫の寿命は1〜2週間。ナシ畑やリンゴ畑などに集まり、果実の汁を吸い、また果実に産卵するので、害虫とされることがある。

ツクツクボウシ

 昆虫綱半翅目(はんしもく)同翅亜目セミ科に属する昆虫。
 体長30ミリメートル内外の中形のセミで、体は細長い。胸背には、黒色の地に緑褐色の斑紋(はんもん)がある。

 頭楯(とうじゅん)は大きく前方に膨出する。雄の腹弁は三角形で、雌の産卵管は腹端を超えて伸長する。はねは透明。7〜9月に出現するが、8月後半に多い。独特な、オーシツクツク、……というリズミカルな声で鳴く。

 北海道から九州にかけて分布し、各地に普通にいる。日本には近縁種が4種知られ、いずれもそれぞれの種独特の声で鳴く。

ヒグラシ

 カナカナカナカナ・・・・早朝と夕方によく鳴きます。高尾山の夕暮れ時に響くこの鳴き声は、今日の終わりを思わせるような、高尾山から見送られているような、少しさびしさを感じさせます。
 ヒグラシは、半翅目同翅亜目セミ科。体長 (翅端まで) 45mm内外のセミ。全体に褐色,頭部は緑色で黒色斑があり,前胸背は側縁,後縁および中央の縦条が緑色であるが,個体変異がある。

 雄の腹部は大きく、空洞で、発達した共鳴室となる。雌の産卵管は腹端を越えない。はねは透明で、脈上に多くの暗色紋がある。
 雄の腹部第3、第4腹板上には各1対の小さないぼ状突起があり、これがヒグラシ属の大きな特徴である。

 北海道、本州、四国、九州、琉球諸島(りゅうきゅうしょとう)、朝鮮半島、中国大陸に分布する。

ミンミンゼミ

 セミの鳴き声といえばミンミンゼミの鳴き声が浮かんでくるのではないでしょうか。
 ミンミンゼミは昆虫綱半翅目(はんしもく)同翅亜目セミ科Cicadidaeの1種。
 大形のセミで、一見したところ,大きなセミの割りに体がとても短い感がある。

 頭部および胸部は黒紋と緑色紋を散りばめたようで,腹部は黒色。翅は透明で,翅端近くの脈上には一連の暗色紋がある。

 雄の腹弁は半円形で幅広く,腹部中央部でわずかに重なる体長30〜35ミリメートル、翅端までの全長が約60ミリメートル。 左右の腹弁はわずかに重なる。

 北海道から九州にかけて分布し、国外では朝鮮半島、中国、ロシア連邦極東地域に広く知られる。
7月下旬から9月にかけて出現し、8月にとくに多い。ケヤキなどの幹上に止まってミーン、ミーン……と大声で鳴く。合唱性はない。枯れ枝の中に産み付けられた卵は約300日で孵化(ふか)し、それから6年目に成虫になる。

キアゲハ

 鱗翅目アゲハチョウ科の昆虫。
 イギリスからユーラシア大陸を経て,アラスカまで広く分布し,日本では北海道、本州、四国、九州、佐渡島、五島列島、屋久島などに分布。平地から山地の草原や水田など日当たりのいい全国の海岸から山地までもっともふつうに見られる。

 はねの開張90〜120ミリメートル程度。普通のナミアゲハに斑紋(はんもん)がよく似ているが、一般にはねの地色は黄色みが強く、前ばね表面の中室に条がないことによって容易に見分けられる。

 寒冷地では年1回、暖地では通常年2、3回の発生。多くのアゲハ属の種が森林性であるのに対して、本種は草地を好み、その上を敏活に飛ぶ。山の上に縄張りを持つ習性のあるオスは、山頂付近によく集まる。
 幼虫の食草は各種のセリ科植物、野生のもののほか、植栽されたニンジン、ミツバ、パセリ、セロリなどを食害するので害虫とされることもある。

クロアゲハ

 昆虫綱鱗翅(りんし)目アゲハチョウ科に属するチョウ。
 北海道を除く日本全土に分布するが、東北地方北部では少ない。日本の多くの地域では黒色大形のアゲハチョウのなかでもっとも普通の種である。
 高尾山の山道でも比較的よく見かけられる。

 外国では台湾、中国からヒマラヤ北西部にかけて分布し、典型的な西部中国系の分布様式を示す種である。

 雌雄ともはねは黒色(雌は色彩がやや淡色)、雄では後ろばねの前方に横白条がある。

 幼虫の食草は温州(うんしゅう)ミカン、ナツミカン、ユズなどのミカン類、カラタチ、サンショウ、イヌザンショウ、カラスザンショウ、ミヤマシキミなどのミカン科植物。越冬態は蛹(さなぎ)

カラスアゲハ

 鱗翅(りんし)目アゲハチョウ科の1種。開張春型90mm,夏型120mm内外。
 黒色で,緑色の鱗粉を散布する。後翅裏面に赤紋があり,雌は表面にも赤紋をもつ。羽根の表側はまるで宝石のエメラルドやサファイヤが吹き付けられたようないわば高級外車のメタリック仕様で、その美しさには圧倒される。
 はねの開張80〜135ミリメートル程度。

 北海道の高地帯では年1回の発生(7、8月)、普通、年2回の発生(春型4、5月、夏型7、8月)、日本南西の暖地ではさらに晩夏から初秋にかけて第3化が発生する。高尾山においても日ざしが強い夏は、樹木が覆いかぶさった中を優雅に飛んでいるのが見られます

 幼虫の食草はミカン科植物、とくにコクサギを好み、またカラスザンショウ、キハダ、ハマセンダン、サンショウ、イヌザンショウ、カラタチの葉などを食べる。

アオスジアゲハ

 黒地に青白い筋が一本入ったなんとも精悍な(!?)アゲハチョウ。
 国産のチョウとしては珍しく縦型の翅をもつ。開張約8.5cm。翅の明色部は生存中に紫外線によって帯黄緑色から青緑色に変わる。
 飛翔力が高く、早いスピードで、樹木や花のまわりをめまぐるしく飛び回る。
 オスは、湿った地面で吸水することも多い。幼虫は、クスノキを食べるので、大都会の真ん中でも普通に見ることができる。

 アゲハは留まる時に羽を開いたまま留まることが多いが、アオスジアゲハは閉じて留まることもあるのが特徴。

 実は南方系のチョウで、西南日本では極めて普通に見られるが、本州中部以北ではあまり多くなく、秋田県あたりが北限となる。幸いなことに高尾山では普通に見かける。

成虫は春はネギの花,夏,秋はヤブカラシの花に多く集まり吸みつする。
 羽化後まもない雄はしばしば路上の水たまりや湿地で吸水するが,海水も吸うことがある。動作は機敏で速く飛び,摂食,産卵の際も静止しない

ルリタテハ

 「ルリ」は漢字で「瑠璃」と書き,七宝の一つ,濃い青色の宝石のこと。
 濃藍色の翅(はね)の中をぐるっと半周するように入った瑠璃色(るりいろ )の帯が大きな特徴的なタテハチョウ。

 雑木林の周辺で見られ、木々ではなく地上に静止していることが多い。人の気配を察するとさっと飛び立つが、しばらくすると舞い戻ってくる習性があるようだ。樹液にもよく集まる。

 北海道、本州、四国、九州、南西諸島に分布。
 平地から山地の比較的明るい雑木林などをすみかにする。

 前翅の先端は幅広い形で突き出ており、メスはその部分がオスよりもやや丸みを帯びている。裏側は暗褐色の地味な樹皮や枯葉のような色をしている。
 花に集まることはほとんどない。幼虫は、ユリ科のサルトリイバラの葉や庭木のホトトギスの葉を食べる。成虫は、クヌギ、コナラなどの樹液や落果の汁を吸う。




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