高尾山の雑学・豆知識
関東三十六不動
全国各地に札所は数多くあります。伝説によれば四国八十八ヵ所は弘仁六年(八一五)弘法大師四十二歳のときに開創されたといわれています。また観音霊場では、西国三十三観音、坂東三十三観音、秩父三十四観音の観音霊場が代表的なもので、あわせて百観音と称されています。
ところで、関東三十六不動は、神奈川県7寺・東京都19寺・埼玉県5寺・千葉県5寺の計36寺のお不動さまをお参りし、ご縁を深めよりいっそうのご加護をいただく霊場めぐりです。
巡拝はいずれの寺よりはじめてもかまいません。巡拝用の地図と各寺院の縁起をまとめたガイドブックもございます。効率よく廻れば7日から8日間ですべてを巡拝、結願することができます。
高尾山薬王院は、関東三十六不動霊場 第八番となっていますが、ご存知の通り、真言宗智山派大本山であり、関東の三大本山として広く知られています。
草創、天平16年(744)行基菩薩が聖武天皇の勅命を得て薬師如来を安置して開山されたと伝えられます。薬王院の名は創建当初、御本尊薬師如来を安置したことに由来する。永和年間(1375~78)に、京都の醍醐山から俊源大徳が不動明王を祈念して、一山の守護神として飯縄権現を奉祀し、中興したと伝えられる。
不動明王は(お不動さま)と親しまれる仏様のお姿です。 不動尊や無動尊などとも称され、一心に祈る人々の願いを必ず叶えて下さる強い仏様です。お不動さまの荒々しいお姿は衆生を必ず救うという慈悲を表し、背後に轟々と燃え盛る炎は、お不動さま御自身が一切衆生の罪障煩悩を焼き尽くす火生三昧におられることを表しています。
右手の利剣は「智慧の剣」であると同時に、如何なる災いをも薙ぎ払う「降魔の剣」です。こうした古来の意味のほかにも、各地に祀られているお不動さまの尊像にはそれぞれ独特の祈りや願いが籠められてきていますので、様々に異なる特徴や意味、役割があります。
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